一昔前までは、アジアの経済大国といえば日本でしたが、現在、世界の経済大国として世界の景気を左右するのは、やはり中国でしょう。
アメリカの株価が下がっていると言われていますが、まだコロナ前の水準よりは上にあります。しかし、中国はもうすでにコロナ前よりも下にあり、まだ株価指数は下落を続けている段階です。
中国経済が悪ければ、世界経済にも影響を与えるのは間違いありません。
中国の株価指数には、香港と上海の2つがあります。
今回は、そんな中国の2つの株価指数である香港指数と上海指数を見ながら今後の世界経済の行方を紹介します。
世界経済を左右する中国2つの株価指数『香港』と『上海』
冒頭にも書いたように、中国には、香港と上海という2つの株価指数があります。
そんな中国の株価指数、香港と上海はそろって下落中です。
まずは、それぞれの株価指数の違いから紹介しましょう。
香港指数とは
香港指数とは、正式名称を香港ハンセン株価指数といいます。
香港証券取引所に上場している株式銘柄から流動性の高いものを選び指数化しています。とはいっても、香港ハンセン株価指数で、香港証券取引所の時価総額の70%を占めるといいますから、ほぼ香港の景気そのものだといってもいいでしょう。
このハンセンとは、香港の銀行である恒生(ハンセン)銀行のことを指します。つまり香港ハンセン株価指数は、恒生銀行が選定しています。
ちなみに前回の記事で書いたように、日経225は日本経済新聞社が選定しています。
上海指数とは
上海指数には、総合指数と50指数がありますが、CFDなどで取引できるのは上海50指数になります。
上海証券取引所の規模と流動性が高い50の銘柄で構成されています。
比較的新しい株価指数で、2004年から公開されています。
香港と上海の違い
このように中国には、香港と上海の2つ株価指数があります。
それでは、香港と上海の違いとは何なのでしょうか?
まずはイメージしやすいように、GoogleMAPで、2つの地域を見てみましょう。
上記のように、同じ中国と言っても、飛行機で2時間35分もかかります。
香港は知っての通り、1997年に中国へ返還されましたが、それまではイギリス領でした。香港市場は、長い間、海外からの投資家が中国企業へ投資する際に利用していたことから、現在でも、基本的には私たち日本人を含め海外投資家は香港市場を利用しています。
一方、上海市場は、中国本土市場で、広く中国の国民に解放されている市場です。つまり、ものすごくざっくり言うと、香港市場は海外向け、上海市場は国内向け、とも言えます。もちろん現在中国が経済発展を遂げていますから、上海市場での海外投資家の取引は活発化しています。それでも一応、基本的にはという事で考えた方がわかりやすいでしょう。
香港と上海・株価指数の推移
ここまでで何となく香港と上海の2つの株価指数の違いがわかったことと思います。
次に、CFDで取引されている2つの指数のチャートを見てみましょう。
まずは、香港指数から見ていきます。
これは、香港ハンセン指数の月足チャートになります。

香港ハンセン指数月足チャート
ご覧のように、下落し続けています。
コロナ前の水準よりも低くなっていますし、コロナショックで世界中が暴落した位置よりもさらに下へ落ちていることがわかります。
次に、上海50指数を見ていきましょう。

上海50指数月足チャート
上海も、コロナ前より落ちています。
しかし、香港と少し違うところは、現在、コロナショックの下値とほぼ同じところに位置しており、どうにか踏みとどまっている印象です。
無論、下落チャートです。
まとめ
今回は、世界経済を左右する中国の2つの株価指数を紹介しました。
中国が世界経済に与える影響は、計り知れません。もし万が一、中国に何かが起これば、現在の状況では、アメリカ以上のインパクトがあります。
そんな中国経済の景気は、香港と上海の株価指数をみればわかります。現在、揃って下落中ですから、中国はアメリカよりもいち早く景気後退に突入しているといってもいいでしょう。
世界経済の先行きが好転するのは、中国経済次第とも言えます。
香港ハンセン指数と上海50指数をトレードしていなくても、日経225、ダウ、ナスダックの今後の展開を考える上でも、2つの株価指数は見ておくことをおススメします。
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