2022年は、インフレによる金利上げで米国市場には逆風が吹いています。
一説によるとリーマン級の暴落が訪れると力説するアナリストも散見されます。
本当に米国市場は暴落するのでしょうか?
個人的な感覚で言えば、金利上げなど予定がわかっているもので暴落ということはまずないだろうと思っています。暴落は予期せぬ事態に見舞われた時のパニック売りでなければ成り立たないのです。
つまり、米国株式市場は、じわじわと下落していくのではないかと思ったほうがしっくりきます。それこそがFRBの思惑でもあります。
今回は、そんな米国株式市場の現在地を探るべくダウ指数とナスダック100指数を分析していきましょう。
米国株式市場分析ーダウ・ナスダックー
2022年9月末に大きな下落がありましたが、2022年10月に入り一気に上昇している米国株式市場です。
ただこのまま上昇トレンドに入り、もう一度ダウもナスダックも史上最高値を目指すのだ!という気持ちにはなれません。
それは、今のところ、まずないでしょう。
今回の10月初旬の上昇でわかったことはただ一つです。それは「暴落はなさそうだ」ということだけと言ってもいいでしょう。
悲観論者がリーマン級の下げがくると思うからこそ大きく下がりますが、実際はそういうわけではない為、今回のような急激な上昇も起きるのです。
つまり、暴落はこない、ただゆっくり下落するだけです。
多分ですが、そういうことなのだろうと思います。
ひとまず、論より証拠ということで、ダウとナスダックのチャートを見てみましょう。
ダウのチャート分析
長期トレンドを見る為、月足を表示します。
下のチャートは、ダウ指数と連動したCFDである米国30の月足チャートになります。

ダウ(米国30)月足チャート
白い横線がコロナ前の2020年2月の高値になります。現在のダウ指数は、ちょうどこのコロナ前の価格あたりでの攻防戦をしているところです。
単純移動平均線の長期線が一番下の青い線になります。この長期線は緩やかな上昇トレンドであることが見てとれます。つまり今現在下がっているように見えるダウ平均ですが、実際、長期目線で見ると、まだ上昇トレンドであることがわかります。長期での上昇トレンドが終わるのは、25000を下に抜けて月足が閉じた時です。
長期線は緩やかに上昇していますから、今月10月中であれば25000、来月11月であれば26000あたりに位置します。つまり今月中であれば25000くらいまでは下がる可能性はあります。しかし、それでもダウは上昇トレンド継続中ということになるわけです。
次にナスダックを見てみましょう。
ナスダック100のチャート分析
ナスダック100指数も月足チャートで分析しましょう。
下のチャートは、ナスダック100と連動しているCFDのNQ100の月足チャートです。

ナスダック100(NQ100)月足チャート
ダウと同じようにコロナ前の価格の位置に白い横線を引いています。これを見て意外と思った方も多いのではないでしょうか。こうやってみると、実は、一番下がっているはずのナスダックですが、ダウとは違いまだコロナ前の価格まで下落していません。コロナ前の価格に到達するには、10000を切らなければなりません。
一番下の青い線が長期線ですが、こちらもやはりダウ同様、緩やかな上昇トレンドを維持しています。この長期線を割らない限り下落トレンドとは呼べませんし、暴落とも呼べません。価格的には、8500付近になります。つまりナスダックは、8500あたりまで下がる可能性はありますが、それでも悲観することはないということです。
月足のローソク足が長期線を下抜けして閉じない限りは、まだ上昇トレンドです。
ちなみに日経225も同じく長期目線では上昇トレンド継続中です。詳しくは下記の記事を参照してください。
まとめ
今回は、米国市場の現状分析としてダウとナスダックの月足チャートを解説しました。
月足チャートで見てみると、ダウもナスダックも米国市場は緩やかな上昇トレンド継続中であることがわかりました。
逆に言えば、ダウであれば25000、ナスダックであれば8500、この価格を月足ベースで割り込まなければFRBも特に株価の事を気にしないのではないかと思います。
つまり、このままインフレ対策をしつつ、ゆっくりと長期線まで下落していくと予想します。
暴落ではなく、ゆっくりと下落、ここが今回の相場のポイントかなと思っています。
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